極論が人を不幸にする

ある日耳にした会話。

A「2人の子供が溺れています。1人しか助けられません。どちらを助けますか?」
B「助かりそうな方を助ける。そういうAはどうする?」
A「どちらも助けない」
B「それは酷くないか?」
A「片方だけ助けることは不公平だ。だからどちらも助けない」


というような内容。Aさんの意見の根本にあるのは不公平が許せないということのようです。人、特に日本人の特性でしょうか。一部の人が突出して不公平感が発生するとその一部の人を嫌う傾向にあります。
 それはさておき、Aさんの台詞には実は矛盾があります。それは公平・不公平の観点を子供2人ではなく、子供2人とAさんの3人にした場合に発生します。溺れている・いないという点ですでに子供2人とAさんは不公平なんですよね。真の公平を求めるのであれば3人全員が助かるか、3人全員が溺れるかの2択しかないわけです。さらに言うのであれば、子供を片方しか助けられないという前提がある時点で3人全員で溺れるという選択肢しか残らないわけですが。
 正しそうな意見を持つのは良いが行き過ぎると皆を不幸にしますよ、という話。