技術の進歩は想像力を削るだけなのか

 RPG(Role Playing Game)の話。
 紙とペンとルールブックを用いたアナログなTRPG(Table-talk RPG)。記憶容量との戦いでもあった黎明期のCRPG(Computer RPG)。どちらも不自由により不足している部分があったからこそ、不足分を想像力で補うということしていました。しかし最近は技術の進歩による記憶容量の増加に伴い、不足は無くなり想像の余地が削られました。そしてその結果、RPGの元の遊び方である「役割を演じること(Role playing)」が希薄になっています。
 このことを余り良くないことのように捉える人もいますが、これはこれで新しい遊び方が増えたということでもあると思います。今でもTRPGは残っていますし、「Wizardry」や「世界樹の迷宮」のような昔ながらのCRPGもあります。そしてそれに加えて「ドラクエ」や「FF」や「女神転生」のようなそれぞれ独自の道を進む作品が出てきたと考えることは、選択肢が増えたということであり、むしろ望ましいことではないでしょうか。数が増えれば駄作やマンネリ化も発生しますが、新しいものも発生するということでもありますから。